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倉阪鬼一郎のおすすめ新刊情報は?BADは初心者にはちときついかも……


鬼才小説家の倉阪鬼一郎。その陰陰滅滅としていながらもどこかコメディチックな雰囲気の作風は他者にはまねできないものです。正直それほど知名度が高い作家さんとは思えませんが、私はこの人の作品が好きです。

倉阪鬼一郎氏関連リンク

作品リスト

実はかなり多作です

BAD感想1

BAD感想2

BAD感想3

狂気の沙汰ほど面白い

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中でも初めて読んだとき衝撃を受けたのが「BAD」。
作者の頭の中はどうなっているんだと思わずにはいられない作品です。

 

 

舞台は死と性が日常化された近未来社会の中にあるディア学園とソロブ大学。
20世紀から21世紀前半にかけて確立された愛と正義というモラルを徹底的に蹂躙する世界観は、傍から見れば完全にくるっています。
男も女も貞操観念などというものは一切持ち合わせておらず、ヤリたい放題。
老人虐待、拷問、身分差別など、読者の住む世界では否定されていることを徹底的に肯定することで読者をドン引きさせます。前半で脱落する方も正直少なくないと思います。

 

 

加えてこの世界では死ぬことが最高の快楽と定められており、皆絶頂を迎えながら死んでいきます。
高度な管理社会でもあり、この世界で肯定されている思想に対して過度な疑問を持ったものは様々な方法を用いて消されていきます。
恐怖忌むべき存在であり、このような感情は未開の感情として否定されています。
人の命は地球より重いといった言葉は頭が来るほど気持ち悪い言葉としてとらえられています(現代でもこんな言葉をうのみにする人はめったにいないと思いますが)。

 

 

ここからストーリーがどう展開していくのかは読んでのお楽しみ……と行きたいところですが、
近くに書店がない方もいらっしゃるでしょうから、軽くネタバレをします。
読んで確かめたいという方は戻るボタンを押しましょう。

 

 

実はこの作品の世界、すなわちディア学園とソロブ大学がある「内側の世界」は近未来の日本の社会の一部だったのです。
内側の世界」の外部には「外側の世界」があります。
外側の世界には内側の世界とは対照的に愛と正義を絶対的なイデオロギーとしたファシズム国家・日本が存在していたのです。

 

 

この作品において日本は21世紀に入ってから不死の技術を手に入れており、
その技術にあやかれば誰でも半ば永遠に生き続けることが可能になりました。
しかし、死ぬ人がいなければ人口は膨張する一方です。
さすれば食糧不足や土地不足など新たな問題が起きるようになります。

 

 

そこで日本の支配者層は一計を案じます。
不死の技術にあやかれる人間を選別するシステムを作ったのです。
国家が提唱する「明るく平和で笑顔の絶えない平等で愛に満ちた犯罪のない理想社会」というイデオロギーに少しでも合わない人間は即排除。
記憶を消したうえで内側の世界に放り込まれ、そこで死と性の素晴らしさ、愛の気持ち悪さについて学びます。
もちろん、自分たちの外部に外側の世界があることなど知らずに。

 

 

外側の世界の人間はそれを外部からテレビを通じて眺めることで正義のこぶしを振り上げ、
いつか自分も内側の世界に放り込まれるかもしれないという恐怖を押し殺します。
こうして” 明るく平和で笑顔の絶えない平等で愛に満ちた犯罪のない理想社会”が完成したのです。

 

 

その「理想」の日本が最後にどのような結末を迎えたのか……は本書を手に取ってお確かめください。

 

 

このほかにも氏の作品は狂気と正気が交差する作品がたくさんあります。
この作品以外でおすすめなのは「田舎の事件」。田舎に住む人間の閉鎖性と独善性を絶妙なバランスでおちょくったコメディ・ホラーです。
怖いのにどこか笑える、笑えるのにどこか怖いという二面性を持つ作品です。

 

 

こちらは短編集なので、長い文章を読んでいると眠くなっちゃうという方にもお勧めです。
ぜひ一度手に取って確かめてみてください。



最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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